その二 陰と陽。第一の到着地

◆◆中国旅行◆◆

◆一日目 其の三 「バスが来た」

手続きを済ませ、アモイの空港を出た。すると、なんと外に立派なバスが待ち構えていた。

豪華だ…。無駄にニセシャンデリアがついている。どうやらこれが我々の乗るバスらしい。 だが、荷物を載せるように言われない。どうするのだろう?…と思っていると、ボス!ボスボスボス!ガリガリガリガリギギー!我々の乗り物ゴージャスバス(只今命名)とはあまりに対照的な、薄汚れたぼろっちい軽トラが不吉な爆音を轟かせ我々の後方より近寄ってきた。

これが荷物を運ぶ車両のようだ。…大変大変! 荷物は無事に帰ってくるのかな!?大丈夫大丈夫・・・大丈夫じゃねEEEEEEEEEEEEEEE('A`)とても不安である。後日談として、前出のN君の新品のかばんが軽トラから戻ってきた際、カバンは角が欠け正体不明のキズが何時の間にか付き、図らずもアンティーク調となりはてるのだが今の私たちにはそんな事知る由も無いのであった。

みな乗り込むと、バスが走りだす。 街中を見ると赤い屋根と意味不明の看板が見える。
  「中国石化集団
  「再生人
  「功夫茶」
(゜д゜)怪しすぎる以上に、出会ったら何かされそうだ。
中国メモその@:どうやら中国には石化させる集団、再生する人、功夫(クンフー。)がつめるお茶があるらしい。

変なものをみているうちに、第一の到着地に着いた。お茶の生産をする所らしい。

◆◆中国旅行◆◆

◆一日目 其の四 「陰陽工場」

一見ただの家に見える工場に入ってゆく私。お茶の匂いが漂ってくる。いい匂いだ。すると、 お茶の説明を中国語でされる。…すいません。さっぱりわかりません(´A`) ガイドの女の人が必死に日本語に訳す。だが、不幸なことに片言の日本語をキンキン声でしゃべる為、頭が痛くなった。それでも耳を傾けて聞くと、どうやら中国の正式なお茶の作法、つまり中国茶道のことを説明しているようだ。

まず茶碗の中にお湯を入れて、飲む前にあっためるとか言っている。 そのうちに、 「…そこで中国ではお茶の温度を調べる為にこの人形を使います。」 なにやら素焼きの、茶色い3p程の人形をとりだした。フルチンで、股間の一物に両の手を添えた威厳のあるポーズを取っている。

まさしく「ションベン小僧!」 お前なんでこんなとこにいるんだ?噴水に帰りなさい!ん?もしやルーツは中国か?小僧!貴様一体何者だ!?いや、そんなことよりもですね、何故飲む前に出すのを見なきゃいけないんだ?中国茶道って一体。

待てよ。私の考え方は間違っていたようだ。つまり、こういうことで、最初にお茶を飲んだら、最後には小便となって出て行く。 最初と最後・・・アルファとオメガ・・・相反するもの、プラスとマイナス!これは陰陽思想だったんだよ!!だが、私以外の観光客はその深すぎる意図を読み取れずに絶句している。ざんねん、陰陽道の神通力もここまでかと思ったが、次の瞬間その事態を覆すような出来事が起こった。

ガイドの女性が人形に熱湯を注ぐ。すると次の瞬間、人形の愛くるしい一物から勢いよく水がほとばしり始めた。まさかこのタイミングで出して来るとは。お湯を小便小僧にかけ、元気よくほとばしるとお茶を入れるのにちょうどいいお湯加減だと言う寸法らしい。フーンと思ってはいけない。 其のほとばしるものの高さはなんと約40p。元気良いにもほどがある。素焼きの為、小僧の中にしみこんだお湯が、熱により内部で膨張作用を起こし、その結果小僧の一物にあいた穴に水が殺到し、噴水となる。試しに尺を人間実物に直すと、20m強とんでいる計算となる。これは、ビル火災が起きても十分消火活動ができるレヴェル。あまりの圧倒的迫力に周りからどよめきが。
 「うお―、すげ―!!」
  「ほしいー!!」
小僧の霊力で皆の目が輝くとその隙を店員は見逃さず、すかさず値段を告げる。飛ぶように売れていくお茶と小僧

…陰陽道恐るべし 。よくわからない感心をし、私はお茶の工場を後にした。

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