夕食を済ませたあと、男ガイドが景徳鎮の散策に連れて行ってくれた。この御仁が関わると大概ろくな事が無い(墓暴きとか)のだが、今回は大丈夫でしょうか。
希望者を募り、カウンターに集まった人たちで街中へ向かう。ホテルを出る際に、改めてわれらの泊まっているホテルの方を見てみるとでっかく「歌舞庁」とネオンでかかれている。
Σ(゚Д゚)
…ここは、新宿二丁目のエロ街だった
愕然としながらふと横を見ると、マイクのモニュメントがくっついている。歌って踊る・・・ああ・・・わかったぞ・・・つまりカラオケ店が横に合体しているらしい。もうちょっと名前を考えてくれ、三ツ星ホテルよ。このド派手なネオンの外観は、日本じゃどう見ても場末のラブホテルにしか見えない。
自分の泊まる三ツ星ホテルのあまりの外観にぐったりしながら街中に行く途中、道に囲まれた池があり、そこでは足でこぐスワンボートが浮かんでいた。二人乗りのスワンボートには、恋人であろう、若き男女の二人連れや、楽しげな家族が乗っている。夜の街頭にうっすらと照らされたその光景は一見微笑ましげな、どこにでもあるアフターファイブの光景に見えた。・・・だがッ!残念でしたぁーッ!!よくよく見ると、スワンのひょろ長い首の上には、観音の生首や、目の焦点が定まっていない緑色の偽ミッ●ーマウスが乗っかってたァ―――ッ!!!
名前変更:スワンボート→キメラ(合成生物)ボート。
表現変更:街中に行く途中、道に囲まれた池があり、そこでは足でこぐスワンボートが浮かんでいた。二人乗りのスワンボートには、恋人であろう、若き男女の二人連れや、楽しげな家族が乗っている。夜の街頭にうっすらと照らされたその光景は一見微笑ましげな、どこにでもあるアフターファイブの光景に見えた。←まちがい
↓
街中に行く途中、池があり、そこでは白鳥の胴体に観音やミッキーの生首が合体したキメラボートが浮かんでいた。二人乗りのキメラボートには、恋人であろう、若き男女の二人連れや、楽しげな家族が乗っている。池に浮かんだ物体と、その乗員の表情の奇妙なコントラスト。夜の街頭に、おぼろげに出現したその怪しげな珍奇空間は、なかなかお目にかかれない。
あまりに惨い光景を目の当たりにした私は、隣にいる学友に
「あれすごくね!?!?」
と、
話しかけてみたが、この旅行のおかげで死んだ魚のような目をしたその男Sは
「あ。そう・・・。」
と言いながら緩慢に首を動かし、キメラボートを一瞥するや哀れみの表情を浮かべ、ゾンビのようにズルズルと前へ歩いていくのみであった。
そんな池の横を通っているとき・・・。
池のほとり、私の横でミニバンが何故か止まった。
私は何だろうとそのミニバンの方を見る。中に乗っているのはオヤジとおばちゃん。オヤジの方は苦虫を噛み潰したような顔をしている。するとおばちゃんのほうが窓をあけ身を乗り出した。
「?」
何をしているのか。ますます謎は深まる。私は謎を解明する為、一挙手一動作も見逃すまいとおばちゃんを見続ける。さながら調査をしている名探偵気分である。家政婦は見た!(by市原悦子)。なおも観察していると、不意におばちゃんは下を向いた。何だ?そう思った瞬間だった。
「ごぶっ!!」ボドボドボドボドボドボドボドボド
キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
あああ、なんとおばちゃんの口から「逆戻り物体」がとうとうと流れ出てきたではないか。
NO―――――ッ!
心の中で叫び声をあげながら、必死に目をそらそうとする私。だがなぜかこういうとき目は硬直し、その場を凝視し続けるものである。余りの突然のハプニングに言葉も出ない。そんな私におばちゃんはきずいたのか、こっちを見た。そしてあろうことか、口付近に嘔吐物を付けたまま、にこりとほほ笑む。
('A`)
照れ笑いなのだろうが、満面の笑みを浮かべながら、口に何かついたままこっちを見てくるおばちゃん。その顔の爽やかなことったら!ヒィィ!見知らぬ人のそういうシーンを見、更に目が合い、あまつさえ爽やかに笑われた体験など、これまでした事は私は無い。とりあえずうすらわらいをおばちゃんに向け、その場を後にする。対応が正しかったかどうかは不明である。
…で、あまりに惨い光景を目の当たりにした私は、隣にいる学友にに其の出来事を見たかどうか興奮気味に質問した。
「今の見たか!?婆さんがゲロを・・・」
だが、この旅行のおかげで死んだ魚のような目をしたその男Sはさもどうでもいいような様子で(実際どうでもいいけど)
「・・・・・・うそ・・・どこどこ・・・。」
等と言いながらも特にそれを探すようなことも無く、ボンヤリと前を一瞥するや、寂しそうな表情を浮かべ、ゾンビのようにズルズルと前へ歩いてくのみであった。
残念ながら(?)目撃者は私一人だった。私はその後の散策の際、日本の歌手のコピー製品が堂々と沢山売られているCD屋に立ち寄った。さすがパクリにかけては先進国である為、このコピーCDがいい出来で、先日アモイの博物館でお目にかかった浜崎あゆみなんてCDがアルバム2枚分入って値段が100元以下だったか??ちなみに私は毛沢東のCDやら中国軍歌のCDを買い、ホテルに帰っていったのだが。あと、中国の流行の曲の入ったCDを発見。下はその表紙。
どこか垢抜けない・・・
後日談:その毛沢東のCD。日本に帰ってから、聞こうと思ったのだが、規格が合わないのか、再生出来ない・・・。勿体無いので、このページ後ろの毛主席的思想放光芒ってやつとか毛アイコンに加工して旅行記のアクセントに使わせてもらう事にしました。毛主席的頭皮放光芒。
さて、ホテルに帰ってきた私は部屋に着くと、改めて部屋を見渡した。
前述のとおりここは三ツ星ホテルである。
だが・・・。
洗面所の排水溝に、何故歯磨き粉のチューブが詰まっている?
風呂場のタイルが何故割れている?
浴槽には何故変な跡がついている?
トイレットロールの紙の量が、元から何故こんなに少ない?
部屋にはカップラーメンが裸で棚に陳列されている。中国独自の三ツ星ホテルサービスか?
・・・と思ったが、危ねえ!40元て書いてあるアルよ?!どうやらお金を取るらしい。危うくトラップに引っかかる所だった。この時1元が10円だから・・・400円。バカみたいに高ッ!ちなみにポットを使うにもお金が要る。ラーメン食ってたら二重に金を取られていた所だ。
…で、あまりに惨い光景を目の当たりにした私は、隣にいる学友に、其の出来事を話し、同意を得ようとしたが
、この旅行のおかげで死んだ魚のような目をしたその男Sはさもどうでもいいような様子で(実際どうでもいいけど)
「・・・・・・ああ・・・・・・。」
等と絶望に似たため息を漏らしながら、特にそれを確かめる様子も無く、頭を手で抱えながら、まるでゾンビのようにズルズルとベットにしょげ込んだ様子で潜り込んでいくのみであった。
さすが三ツ星は違うな・・・( ゚д゚)、ペッ とも思ったが、先ほど出た町の様子を鑑みるに、町が町ならホテルもホテルと言う結論が一番しっくりいく。確かにわれらの泊まったホテルは、この町の惨状からすると三ツ星(平均的)ホテルだった。
そんなことを思いつつも風呂に入って今日一日を振り返ってみた。山盛りのナニは見るし、飯は不味いし、吐き出す瞬間は見るし、ホテルは外見エロホテル、中身は三ツ星の癖に平均以下ときたもんだ・・・・・・。
中国・・・。なんて面白い所なんだ・・・('A`)
明日以降これより悪くなったらどうしようと思いつつ私は眠りに就いた。
さて、明日からまた窯跡、磁器めぐりである。